設立主旨
1.当SNSは、先人たちの優れた知恵と技術に学びながら、再生産可能な資源で
    ある木を活用して、生活環境の創造をめざす木造技術者の技術交流会・研
    究会です。

2.近年、環境保全と木材供給との調整をする森林資源の必要性は、国民に理
    解されるようになりました。また自然素材に対する評価も見直され、木造
    の特性に対する理解も少しずつ広がりつつあります。

3.しかし、1995年に起きた阪神淡路大震災のとき、一時期木造住宅の耐震性
    を疑う声がひろがりました。その後の調査により木造住宅そのものが耐震
    性に劣るのではなく、「問題のある木造住宅」に限って耐震性が劣ること
    が明らかになりました。

4.2000年に建築基準法が改正され、木造住宅の仕様規定が事実上強化されま
    した。新築建物における「問題のある木造住宅」が発生しにくくなるよう
    な規制が発足しました。

5.2004年には、新築建物ばかりでなく、既存木造においても「問題ある木造
    住宅」を発見・診断・改修することを意図した木造住宅の耐震診断法が改
    訂されました。

6.2006年には「建築物の耐震改修の促進に関する法律(以下耐震改修促進法
    と略称)」が改正され、現状75%の耐震化率を90%に引上げる国家目標が決
    定されました。このことにより、全国の自治体で、木造住宅の耐震診断・
    改修の推進を助成する制度が広まっています。

7.自然環境との共生と耐震化率の引き上げの2つの目標の進捗度は、
    1)まだまだRC造や鉄骨造とは異なる生物資源を使った建築物としての木
        造の理解は十分広がったとは言えません。木に関する正確な理解や正
        しい木造技術の普及が必要です。
    2)また、それぞれの地域に適応した耐震性の高い木造建築の提供や優れ
        た古建築を現代の生活にマッチさせながら再生する「まちづくり」が
        始まったばかりです。
    3)現場の技術者は研究者の成果を学び、研究者は現場技術者の悩みの中
        から研究テーマを探しだす仕組も必要です。

8.このような状況のもとで、自然環境との共生と耐震化率90%の国家目標に取
    組むため、我々は一技術者の立場から、木造技術者SNSを設立します。
    木造技術者SNSは、
    1)エコロジカルな建築としての木造の健全な発展のため、インターネッ
        トを介してその技術の普及・研究・交流を図ります。
    2)とくに木造住宅の耐震技術の普及・研究・交流を図ります。
    3)自治体が中心になって進める耐震診断・改修の助成事業をサポートし
        ます。
    4)若手木造技術者を育成します。
    5)木造技術者と研究者の橋渡しを図ります。
    6)木造技術者の社会的地位の向上を図ります。
    7)木造技術者に有用なソフトの開発・普及を図ります。

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